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エッチするならバスですね　31

ケンジ

- 07/11/22(木) 22:31 -

記憶を頼りに、青山君の家まで電車で行くことにした。
そう、この○○駅を降りて、この商店街の中を通り、○○○公園の右を行く。
スーパーマーケット・・・
ここはよく二人で買い物したっけ。
青山君の作ったクリームパスタおいしかったなぁ。

青山君がまだこの町にいるんじゃないかと少し期待していた。
アパートが見えてきた
そのアパートの２０１号室。

表札を見るとうっすら青山という文字があった。
その文字を見ると何故だか、キュンと胸にくる。
胸がしまる感じ。何だろうこの気持ち・・・

２０１号室に行くと、そこにははずれかけた表札がある。
そこには何も書かれていない。
やっぱり青山君はいないんだ・・・

どこに行ったんだろう。

青山くん・・・

と、そこに隣のおばさんらしき人が訝しげに見ていた。
おばさん「どうしちゃったの？気分でも悪いの？」
俺「いえ・・・あっここの若い男の人はいつ引越されたんですか？」
おばさん「えっとね、確か１ヶ月前ぐらいだったかなぁ～」

俺が青山君から別れをつげられてまなしのことだったんだ。
だからバスにもいなかったんだ。

俺「あの、この部屋の中に入ることって出来ないんですか？」
おばさん「えっ。何で？入居したいの？」
俺「そういうもんです」
おばさん「だったら下の大家さんに言ったらどう？」
俺「ありがとうございます」
俺はさっそく大家さんに見せてもらうことにした。

ドアをあけると、かすかに青山君の香水の匂いがした。
少し甘い匂い。
青山君がいつもつけていた香水。
部屋に入ると、何もなかった。
今までの思い出も何もない。
青山君が住んでいた形跡すら残っていない。
一緒に二人でベッドに座って、映画を見たよね。
いつも映画の途中で青山君がキスしてくれたよね。
いっぱい好きって耳元で言ってくれたよね。

そんな楽しい思い出ばかり記憶として蘇る。

でももうここに青山君はいない。

大家さんに引越した場所を聞いてもプライバシーの関係で教えてくれなかった。
俺は青山君にどうしても会いたい。

青山君の通ってる大学まで行くことにした。
大学に行けば青山君に会える。
ヤマトに会ってしまうかもしれない。
会って無視されてもいい。
軽蔑されてもいい。
気持ち悪がられてもいい。
それでも俺は、青山君に会いたい。