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さよならの向こう側には…【涙の受験編、中編】10〜12
 長編編集部φ(..)  - 07/6/28(木) 11:36 -
仁「おせぇ〜よ」
俺が遅刻をする事なんて滅多にない。いつもは大概俺が待つ方だ。
今日は午前中に終業式があり、それから一旦家に帰り着替えてからみんなと合流する事になっていた。
家に帰り昼食を済ませた後、いつも通りバスに乗るつもりで家を出た。ところがなかなかバスが来ない。15分遅れでようやく乗り込んだものの、さらに道路が渋滞していて30分も遅刻をしてしまった。なんとなくクリスマスともなると道路も混雑するのだろうか。普段と様子が違うのは気持ちの面だけではないようだ。多くの人がクリスマスを特別な日と思い行動するのかもしれない。
ようやく着くとすでに4人揃っていた。
俺「ごめんごめん」
ひとしきりみんなに謝る。
クリスマスに男5人とはなんとも寂しい様に思えるが、みんなそんな事は特に気にしてない様だ。
すぐに近くのカラオケボックスに入る。いつも溜まり場になってる店だ。ボックスに入るとU字型になった椅子があり、俺はヒカルの隣に座った。
それぞれ思い思いの曲を歌うが、5人もいるとなかなか順番も廻って来ない。その間に好きな話をしたりしている。
俺はヒカルに耳打ちした。
俺「ここを出たらそのまま行くの?」
光「みんなにバレなきゃできるだけ早めにな。今日はゆっくりできるのか?」
俺「うん。でも遅くなると帰れないからどうしようかな」
光「じゃ泊まりにするか?そうすれば何回もできるゾ!」
いつものイヤらしい笑いを浮かべて言う。
俺「なにその笑いは。泊まるのは連絡すれば大丈夫だけどラブホに泊まるの?」
光「その方がいいだろ?のびのびできるしな」
またニヤニヤする。
仁「おまえら何イチャイチャしてんの?」
いきなりジンに言われて周りを見ると、みんな俺達の方を向いていた。
仁「最近仲良すぎじゃないか?怪しいなぁ」
ついこの間、カズヤの家でコウに言われた事をまたここでも言われている。今度はヒカルとの事でだ。
光「俺シュウの事好きだよ」
悪気もなく淡々と言うヒカルの態度に俺はドキっとしてしまう。
仁「いいかげんにしろよー」
みんな「お似合いだ」とか「コイツらあぶねぇ」だとか言って笑っているが、あまり本気にしていない様子だったので少し安心する。 
俺とヒカルが話していて次の曲を入れなかったので途切れてしまった様だ。一段落したのでみんなトイレに行って、部屋には俺とジンだけが残った。
俺「ジンはクリスマスにこんな所にいていいの?」
仁「こんな所って?」
俺「彼女は作らないのかって事だよ」
仁「エヘへ、内緒だけど実はできたんだ〜」
俺「えっ?マジ?初耳だよ?」
全く聞いた事もないし気づかなかった。
仁「まぁね、まだ誰にも話してないからさ」
そこへヒカルが戻って来た。
光「何話してたんだ?」
俺はジンの様子を窺った。
仁「2人はまだ戻ってこないのか?」
光「電車の時間を見に行ったみたいだけど」
仁「そっか。じゃおまえらなら話してもいいかな」
そう言ってジンは俺を見た。OKが出た様だ。
俺「ジンに彼女ができたんだって」
光「はぁ?相手は誰だよ」
話を聞くと、同じ中学出身の1つ下の学年のコらしい。同じ中学なのでヒカルも知っているコの様だ。
俺「で、今日とか会わないの?」
仁「俺がどっちを優先するかなんて分かりきった事だろ!」
確かにその通りだ。ジンが友達想いのヤツだって事は分かっている。
光「ちょっとビックリしたな。でも今日会わなきゃ相手が可哀想だろ?」
仁「そうだな。家も近いしこのあと会うさ」
俺はなんとなくヒカルと顔を見合わせ笑ってしまう。
仁「ところでおまえ達はどうなの?2人で仲いいなんて冗談ばっか言ってないで彼女作らないのか?」
俺は苦笑していたが、ヒカルは何か考えている様子だった。しばらくして真顔で俺の顔を見てくる。
『ジンになら話してもいいだろ?』
そんな風に俺に訴えかけている様な顔に見えた。
俄かに緊張感が出てくる。
仁「何なに、どっちか彼女がいるのか?」
ジンは笑顔だったが、突如として降って湧いたようなカミングアウトに、俺は一気に血の気が引くような感覚を味わっていた。


仁「何2人で考えてるんだよ。どっちが誰とつきあってるんだ?」
ヒカルの顔を見たが、真っ直ぐ俺を見ているヒカルの目には信念の強さが表れている。
俺『ヒカルは本気で話す気でいる…』
今まで俺達の事を知っているのはカズヤだけだ。カズヤは問題なくクリアできた。でもそれは内容が理解されたからというよりも、カズヤが特別だっただけだ。
今こうしてジンが女のコとつきあっているという話を聞いた後で、あからさまにノンケだとわかっているジンに伝えて大丈夫なのだろうか疑問に思ってしまう。
ジンは俺達から見ても誰よりも大事な友達だ。だから理解はしてもらえるかもしれないが、全く理解されない可能性だって充分あるわけだ。
それを敢えて冒険を冒してまで今話す必要があるのか?
俺『やっぱりだめだよ』
俺はヒカルを見て軽く首を降った。
仁「ふ〜ん、隠してるのはシュウの事みたいだな」
ジンに突っ込まれ、再び狼狽えてしまう。
光「大丈夫だよ。なんかあったら俺がついているだろ?」
仁「そうだそうだ。安心して話してみろよ」
俺『安心できるわけがない。きっとヒクさ』
もう一度ヒカルを見た。やっぱり決意が固い様だ。
ただ考えてみればヒカルだって当事者なわけだし、決して普通の気持ちではないはずだ。そのヒカルが堂々としているのに、俺がビクビクしているのはヒカルに対する気持ちを裏切るようなものだ。ならきちんと話してヒカルへの気持ちを表すべきではないのか…。
俺『仕方ない。ヒカルばかりに迷惑はかけられない』
俺は心に決めた。
俺「じゃ俺から話すよ」
ヒカルにも頷いてみせた。
俺「ジンは親友だから、親友なりに隠さず話すね」
間をおいて一つ深呼吸をする。
俺「確かに俺はつきあってる人がいるよ」
そう言いながらヒカルを見た。
仁「やっぱりそうか。で、誰と?」
光「俺だよ」
俺が躊躇する間もなくヒカルが言葉を発した。
仁「冗談はもういいから。マジ話を聞きたいんだよ」
笑いながらそう言ったので、その言葉が理解できるまで、俺もヒカルもジンの様子をしばらく黙って窺っていた。
ジンは俺とヒカルの顔を交互に見ている。俺達が真顔だったので少しずつ察してきたのか、段々と笑顔が薄れていくのが分かった。
仁「マジ?」
俺に向かって言う。
俺「うん」
次にヒカルを見た。ヒカルも頷く。
ジンは初めて食べた物の味を確かめでもする様に、その意味を噛みしめている様だった。


光「いつのまにかこんな風になっちまったんだよ」
ジンが難しい顔をして考え込んでいたので、ヒカルが一言挿んで間を埋めた。
それでもジンはほとんど身動きしないまま一点を見つめてじっとしている。
それ以上俺もヒカルも声をかける事ができなかった。
俺はジンに見えない様に横に座っているヒカルの手を握った。ヒカルも握り返してくる。
ヒカルの顔を見ると、口パクで俺に何か言おうとしている様だ。
光『大丈夫だから』
そう言っている様に感じる。俺も小さく頷いた。
しばらくしてようやくジンが顔を上げた。
仁「それでどうするんだ?」
完全に整理できていないのか、イマイチ意味がわからない質問をしてくる。
光「どうするって何を?」
仁「その…2人はこれからもずっとそうしていくのかって事だよ」
光「そりゃそうだろ」
そこまで話したところで、電車の時間を調べに行っていた2人が戻ってきたので話が中断した。
それからカラオケが再開する。
ジンと俺達は気まずい雰囲気のままだったが、それでも全体的な雰囲気を暗くするわけにはいかないので、気を使いながらもお互い無理に明るく振る舞っている様に感じられた。
4時間くらいしてお開きになりみんなで外に出た。
今日はこれでみんなバラバラになる様だ。ジンにはデートが待っている。
仁「おまえ達は一緒に行くのか?」
小さい声で聞いてくる。
俺「うん。ジンはデートだね?」
少しだけ笑いながらジンは頷いた。
まだ気まずいのかそれ以外は会話が出てこない。
しばらくみんなで立ち話をしていたが別れる事になった。
みんなに手を振って俺とヒカルはバイクが止めてある所に歩いて向かう。
バイクに辿り着く前にジンからメールが来た。
仁『ちょっとびっくりしたな。今度3人で話そうぜ』
ヒカルにも同じ内容でメールが届く。
話した事が良かったのか悪かったのか…。
俺『そうだね』
ジンにメールを返してバイクに乗り込んだ。


引用なし

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