心は晴れなくても、空は晴れてるわ。
今日も夏のおひさまは元気いっぱい、毎日暑いわ。
お庭の隅には、梅雨の忘れ形見のような花が一輪うなだれてる。
この暑さのせいかしら、すっかり萎れて可愛そう。
少しお水をあげましょうね。
お花さん、もう少しの辛抱よ。
秋になれば、空が高くなって、空気も軽くなるわよ。
うなだれた貴女の顔も、自然に空を見上げるようになるのよ。
その時までには、笑顔を思い出しましょうね。
貴女はどんなに辛い時でも、色を変えながら耐えていけるんでしょ。
紫陽花の頬を濡らすのは雨粒なのよ、涙なんか似合わないわ。